国会請願に参加しての感想
今年の国会請願行動で特筆すべき事は、世耕弘成参議院議員が紹介議員となり、県本部宛に公報を郵送してくれたことです。
世耕氏が、治安維持法国家賠償要求同盟の国会請願の紹介議員になったのは、明治時代、絶対的天皇制政府のもと、天皇制打倒を目的とした「大逆事件」に関与したとして、逮捕・投獄・処刑された新宮市の大石誠之助や、成石兄弟などの名誉回復、復権のための活動が、わが同盟員や民主的な人々、保守層を含めた多くの市民運動として、彼の地元紀南地方で大きくもりあがり、「大逆事件」関係者の名誉回復が勝ち取られたことが大きく作用した結果だと思います。
国会請願に、多くの元気な高齢者の人たちが参加していますが、行動は大変だと思います。若い人たちに運動が引き継がれていくようにしたいものです。
国会請願に先立って、靖国神社・遊就館に行きました。見学し終わって何か違和感、不快感に囚われていましたが、五月一二日の日本共産党不破議長の時局講演会─日本外交のゆきづまりをどう打開するか:戦争終結六〇周年・アジア韓国との最近の関係をめぐって─が見事に解明してくれました。
講演で、靖国神社は、特定の政治目的を持った運動体。「正しい戦争」論の最大の宣伝センターになっていること。その実態は遊就館の展示と、そこで上映されているドキュメント映画で明らかだとしました。
靖国神社には、二つの使命があるとして、英霊とその武勲(戦争の手柄)の顕彰―戦争をほめたたえること。もう一つは「明治時代以降の戦争を、わが国の自存自衛のため、世界史的に視れば、自由で平等な世界を達成するため、避けられなかった戦争」と描き、「日本の戦争は正しかった」という主張を宣伝するのが使命だと位置づけている、と述べています。
侵略戦争に何の反省もせず、靖国神社に公式参拝する小泉首相や閣僚、国会議員に韓国や中国、アジアの国々からきびしい批判がでるのは当然です。
憲法九条を守る運動や、未来をになう子どもたちに、誤った歴史を教えこむ「新しい歴史教科書をつくる会」の歴史教科書採択に反対することも重要なたたかいです。
海南・海草支部 I 不屈和歌山県版 2005.7月号から